決済処理額を19年で100倍超に拡大させたGMOペイメントゲートウェイ成長の軌跡

05年の東証マザーズ上場でマルチ決済サービスへ転換

相浦社長が就任した00年当時、日本のEC市場はまだ1兆円にも満たない規模だった。GMO-PGは通信販売事業者を中心に、クレジットカードに特化した形で決済代行サービスを提供していたというが、EC市場の発展とともに、ECでカード決済できるシステムを提供することで事業を拡大させていった。

転機が訪れたのは05年4月に東京証券取引所マザーズに株式を上場してからだ。

上場によって得た資金を元手にクレジットカード以外の決済サービスを提供する「マルチ決済サービス」へと転換したのだ。

コンビニ決済、口座振替・口座振込、キャリア決済、電子マネー決済、ID決済など、キャッシュレス決済手段の多様化に合わせて、EC事業者などがいろいろな決済手段を利用できるようにマルチ化を進めていった。他の決済代行業に先駆けて決済メニューを拡大していったことで、EC市場におけるシェアを高めることができた。

08年9月には、カードに加えコンビニ収納、電子マネー、Pay-easy(ペイジー)の決済手段を一括して提供するSaaS型「PGマルチペイメントサービス」の提供を開始している。

広義のEC市場公金・公共料金を開拓

また、ECの概念をより幅広く捉え、広義のBtoC-EC市場に進出した。経済産業省が23年8月に発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、日本国内の22年の消費者向けEC市場の規模は22.7兆円だが、この中には地方税や国税、NHK受信料、電気料金、水道料金などの公共料金は含まれていない。

いまでは、これらがオンラインでカード決済等ができるのは当たり前だが、当時はまだできなかった。そこで、GMO-PGは公金・公共料金も広義のEC市場になり得ると考え、その市場開拓に取り組んだ。

その最初の果実が、06年6月に、日本放送協会(NHK)の放送受信料のカード決済を開始したことだ。これをきっかけに、公金・公共料金市場の開拓が大きく進みだす。

このプロジェクトのポイントは、カードによる継続払いを可能にしたという点にある。

毎月ないし定期的に料金が発生する料金等を継続的に決済するには、カード情報を登録し、それを安全に管理することが不可欠なのに加え、カードの更新時に登録してあるカード情報等をメンテナンスする必要がある。GMO-PGは大手のシステムインテグレーターと競合する中、「システム開発力だけでなく、継続課金の業務を確実にかつ安全に行うための業務運営の構築などに関するノウハウが認められた」(戸澤執行役員)ことで、受注を果たす。

カードコマースサービスはもともと、定期購入・継続購入の多い通販事業者にカード決済を提供していた経験があり、そのノウハウが生かされたともいえる。

 継続課金の市場の中で、NHK放送受信料は最大の規模を有するマーケットだった。「戦略的にそこを取りに行き、契約を締結できたことで、まだベンチャーといってもよいような当社が信頼を獲得することができ、東京都の水道料金や軽自動車税など、狭義のEC市場には含まれないオンライン決済市場を開拓できるようになった」(戸澤執行役員)。

GMO-PGは08年9月、上場市場を東証一部に変更する。

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