2025年版 クレジット産業白書③ デビットカード市場
24年度の決済額は前年度比20.8%増の伸長を見せ、4兆6380億円と初めて4兆円台に乗った。暦年ベ...

ビザ・ワールドワイド・ジャパン(以下、Visa)は9月16日、日本においてトークナイゼーション技術を活用した、EC加盟店用のオンライン決済「クリック決済」を順次開始すると発表した。Visaのクリック決済はトークンを用いる点が最大のポイントだ。仮にトークンが窃取されても、トークンは当該取引以外のEC加盟店での取引には使えないため不正利用することができない。クリック決済が普及すれば、日本のカード取引のセキュリティは大きく向上するだろう。クリック決済は、非対面取引における不正利用対策の切り札といっても過言ではない。また、かご落ちを防止し、承認率を高めることができるなど決済体験を向上させることもでき、加盟店にも大きなメリットをもたらす。クリック決済の仕組みとメリットを整理してみた。
クリック決済は、Visaやマスターカード、JCBなど六つの国際ブランドが共同で運営する団体で、世界中で安全かつ互換性のある決済インフラを築くための規格策定などを行っているEMVCo(イーエムブイコ)で標準化されたオンライン決済の仕組みだ。
その規格は正式にはEMV SRC(Secure Remote Commerce)と呼ばれているが、カードユーザーにとって分かりやすいように「Click to Pay」(以下、クリック・トゥ・ペイ)という統一ブランドが策定された。
ただ、Visaは日本において普及を図るため、日本人にとってより分かりやすい「クリック決済」というネーミングを打ち出した。
Visaはコンタクトレス・ペイメントを平易な「タッチ決済」と呼び変えることで、日本における非接触決済に対する認知度を高め、タッチ決済に対応するカードや決済端末などのインフラの整備と、ユーザーによる利用を促進した実績があるが、今回も同様のネーミング戦略を打ち出したといえよう。本稿でも以下、クリック・トゥ・ペイではなく、クリック決済と呼ぶことにする。
クリック決済を利用できるようにするには、カード会員とEC加盟店のそれぞれが対応すべきことがある。
まず、カード利用者はウェブ上でクリック決済を利用するための登録を行う。登録する情報はカード番号、有効期限、セキュリティナンバーからなるカード情報、カード名義のほか、Eメールアドレス、携帯電話番号、住所、氏名なども登録できる。
登録された情報はVisaのクリック決済のサーバーで管理される。Visaは近く、クリック決済の登録を行うための日本語サイトを立ち上げる予定だ。
カード利用者はそのサイトにアクセスして、前述の情報を登録することで、クリック決済が利用できるようになる。
イシュアーが独自に自社カード会員向けの登録サイトを開設したり、アプリに登録機能を実装したりするケースもある。
登録する情報は、Visaの登録サイトで登録する場合と同じで、イシュアーが登録された情報をVisaのクリック決済のシステムにデータ連携することで、登録が完了する。
今後、積極的にクリック決済を告知することを予定しているのは、あおぞら銀行、アプラス、イオンフィナンシャルサービス、NTTドコモ、エポスカード、関西みらい銀行、カンム、埼玉りそな銀行、GMOあおぞらネット銀行、ジャックス、ポケットカード、北国銀行、三井住友カード、三菱UFJニコス、みなと銀行、ライフカード、りそな銀行、琉球銀行の18社だ(50音順)。
イシュアーがカード会員の情報を登録することもできるが、事前にカード会員の承諾を得る必要があるだろう。そう考えると、ダイレクトメールで登録を促す、あるいは会員向けのウェブサービスやアプリに導線を築いて、Visaや自社サイトでの登録を促進するという対応が現実的なのかもしれない。
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