2025年版 クレジット産業白書⑤ 電子マネー市場
決済動向によると、24年の決済金額は6兆1890億円で、前年比3.4%の減少だった。決済件数も減少し...

24年度の決済額は前年度比20.8%増の伸長を見せ、4兆6380億円と初めて4兆円台に乗った。暦年ベースでも、4兆4047億円と4兆円を突破した。成長力という点ではコード決済にはかなわないが、キャッシュス化の大きな流れの中で、着実に市場を拡大してきた。デビットカード市場の成長を支えているのはやはり、ブランドデビットの普及だろう。ブランドデビットがけん引する形で、デビットカード市場が成長しているといってよい。
デビットカードの市場規模は、日本銀行の決済関連統計の一つである「決済動向」におけるデビットカードの決済金額が参照されるのが一般的だ。
調査対象は日本においてデビットカードを取り扱っている日本電子決済推進機構(JEPPO)、JCB、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、銀聯国際日本支社で、この四つの調査先から提供された計数を集計しているという。
このうちJCB、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、銀聯国際日本支社の計数は、いわゆる「ブランドデビット」と呼ばれる、国際ブランドが付帯したデビットカードの決済金額や決済件数を意味する。
一方、日本電子決済推進機構の計数はキャッシュカードを用いたデビット決済である「J-Debit」(以下、Jデビット)と、コード決済の「Bank Pay」(以下、バンクペイ)の決済額(取扱高)を指す。
バンクペイは、ユーザーインターフェース(以下、UI)はコード決済だが、Jデビットのシステム基盤を活用し、決済額を即時に銀行口座から引き落とすスキームなので、デビット決済と捉えてもおかしくはない。
ただ、統計の在り方を考える上で、留意すべき点がある。
それは、同じようにコード決済のUIでデビット決済する決済手段にはGMOペイメントゲートウェイが基盤システムを提供している銀行Pay(以下、銀行ペイ)もあるが、このうち沖縄銀行の「OKI Pay」、福岡銀行の「YOKA!Pay」、ゆうちょ銀行の「ゆうちょPay」はキャッシュレス推進協議会の「コード決済利用動向調査」の調査対象となっている点だ。
バンクペイも銀行ペイも基盤システムこそ異なるが、共に銀行が事業主体で、事業主体の銀行口座でデビット決済を行うものだから、これを片やデビット決済、片やコード決済と区別するのは合理的ではないだろう。
日本におけるコード決済は、大手のECモールや通信キャリアグループが開発したものだが、前払い式支払手段(資金移動も含む)、クレジットカード決済、デビット決済という既存の決済手段のIDとしてQRコードやバーコードを利用するスキームだ。だから、UIに着目するのか、実際にどの決済手段として処理されているかに着目するかで、異なる捉え方ができる。
ただ、今後はクレジットカード会社などの既存の決済事業者が組込み型金融で提携先アプリに決済機能を実装する際に、コード決済のUIを採用することが多いと思われる。
既存の事業者が提供するコード決済を統計上どうカテゴライズするのか。キャッシュレス決済手段の分類基準をどうすべきか、真剣に考えなければならないタイミングだろう。
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