決済処理額を19年で100倍超に拡大させたGMOペイメントゲートウェイ成長の軌跡
GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の決済処理額(連結ベース)は2004年9月期の1...

特定の業務を遂行するために、自律的に判断を行い、タスクを実行するAIエージェントの活用にあらゆる業界の企業が取り組んでいる。AIエージェントによって、業務の抜本的な効率化や新たな顧客体験を創出できると考えているからだ。その波は消費行動を支えるECにも押し寄せている。ユーザーの曖昧な要望を汲み取り、商品の検索から比較、そして購買に至る一連の消費行動をシームレスに代行するAIエージェントは、ECの顧客体験を根本から変革する可能性を秘めている。そして、おそらく決済の在り方さえ変え得るだろう。AIエージェントがECと決済にどのような地殻変動をもたらすのか。GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の中山悠介執行役員 企業価値創造戦略統括本部 経営企画統括部 統括部長が予測する。
GMO-PGといえば、決済代行業(PSP)というイメージが強いが、EC事業者にクレジットカード決済などを提供するオンライン総合決済サービスだけでなく、EC事業者の販売促進や資金繰り改善、さらにはDXを実現するソリューションなどを通じて、EC事業者の成長に貢献してきた。
一方で、BaaS支援(=GMO-PG プロセシングプラットフォーム)や三井住友カードの次世代決済プラットフォーム「stera」など、銀行やカード会社などの決済事業者に対してもさまざまなソリューションを提供している。
その高い技術力で決済・金融のイノベーションを牽引してきたわけで、EC事業者が直面する経営課題にも、決済・金融の課題にも精通している企業であることは間違いない。AIエージェントがECと決済にどのような変革をもたらすのか、それを最も正確に見通せる知見を有しているといえるだろう。
そのGMO-PGの企業戦略を担う中山執行役員は、「AIエージェントの台頭は、一部の産業やユースケースにおいては、EC事業者の立ち位置が大きく変わるような地殻変動をもたらす可能性も秘めている」と予測する(以下、コメント引用部分は中山執行役員の発言)。
どういうことか。
中山執行役員は、AIエージェントは「非常に幅広い概念」であると断りつつ、ECにおけるAIエージェントは「ユーザーの意向に従って、幅広いウェブサイトから商品を探し、ユーザーにレコメンドする機能」と位置付ける。
ただ、機能は同じでも、AIエージェントの担い手によって、4つのパターンが考えられるという。
1つ目は、「オールジャンルで汎用的に使える生成AIがAIエージェントの役割を担うパターン」。OpenAIのChatGPT、GoogleのGemini、MicrosoftのCopilotなどに消費者がプロンプトとして探したい商品、求めるスペック、希望する価格帯などの情報を入力すると、汎用生成AIがウェブサイトを検索して、条件に合った商品を複数提示してくれるといった形だ。
Googleで試してみよう。検索キーワードやURLを入力するOmnibox(オムニボックス)の右横にある「AIモード」のボタンを押して、価格が2~3万円で、スチーム機能付きのオーブントースターを探していることを書き込むと、価格.com、ヨドバシ.com、Yahoo!ショッピングなどのサイトにある商品情報に紐づけられたリンクカードが複数提示される。いずれかのリンクカードをクリックすると、その商品が掲載されているサイトに遷移できる仕組みだ。
Googleに限った話ではないが、中山執行役員はいずれリンクカードではなく、「購入ボタンのついたカードが示され、ブラウザ内で購入が完了するようになるだろう」と予想する。
このパターン1は、「日常使いしているブラウザや検索エンジン、生成AIがAIエージェントコマースの機能を実装する」パターンと表現することもできるだろう。
実は、このことはECの構造を大きく変えるもので、ECサイトやPSPの立ち位置を劇的に変えることになるのだが、その意味合は後ほど考察してもらおう。