クレディセゾンが「推し活」を企業戦略として推進、戦略実行の司令塔「推し活課」を新設

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クレジットカード事業において、プレミアム戦略を中心に据えてきたクレディセゾンは、あらためて顧客基盤の拡大に取り組み始めたが、いわゆる「推し活」の社会的・経済的な広がりを踏まえ、クレジットカード事業の新たな成長ドライバーとして、「IP・推し活戦略」(IP=Intellectual Property(知的財産))を推進する方針を打ち出した。アイドル、K-POP、アニメ、スポーツ、VTuber、キャラクターなどの領域において、2030年度末までに100のIPコンテンツと連携し、新規カード会員を累積で100万人獲得する計画だ。IP・推し活戦略を推進するため、「推し活課」を2026年8月1日に創設。推し活課が司令塔となって、クレディセゾングループのアセットをつなぎ合わせ、IPホルダーとの共創によって、新たな体験価値を創出する。クレディセゾンのIP・推し活戦略を紹介する(この記事は7月28日に開催された、「推し活戦略メディアブリーフィング」と同30日に発表されたニュースリリースに基づいています)。

5年間で100のIPコンテンツと共創し、新規カード会員を累計で100万人獲得

クレディセゾンはクレジットカード事業において、2022年度からプレミアム戦略を展開してきた。

個人向けではゴールドカード以上のプレミアムカード会員、あるいは個人事業主と中小企業の法人にターゲットを絞り、高稼働・高単価の顧客の獲得・育成に重点的に取り組んできた。

加えて、リボ・分割を拡大することでクレジットカード事業の収益性を高めてきた。

クレディセゾンの取締役(兼)常務執行役員の足利駿二氏は、「プレミアム戦略、リボ・分割という成長エンジンに、現在さまざまなメデイアでも話題になっている『推し活』をテーマに加えることで、さらなる成長を実現していきたい」と語った。

そのうえで、2026年度から2030年度の5年間で100のIPコンテンツと共創し、新規カード会員を累計で100万人獲得する計画を明らかにした。

足利取締役は新規カードを獲得するのに、1枚当たり1~2万円のコストを要することを考えると、5年間で100億円の投資になると試算する。「100億円の投資を、次の成長戦略に掲げる」と意気込みを語った。

クレディセゾンの2025年度の連結事業利益(IFRS基準)は1019億円だが、ペイメント事業の事業利益は332億円と、全体の32%を占めており、46%を占めるファイナンス事業に次ぐ柱になっている。「金利ある世界」への移行によって、資金調達コストが増加したものの、それを吸収する形で事業利益を拡大させることができた。

このペイメント戦略の進化は、プレミアム戦略と分割・リボ収益の拡大、AIを活用した業務のDXと構造改革が支えてきたわけだが、これらに「IP・推し活戦略」を加えることで、さらなる進化を目指す。

IPを起点にIPのファンをカード会員として取り込み、決済サービスの提供やいままでにない体験価値の提供によってLTV(生涯価値)を高める戦略を展開する。

何かを応援し続けてきたクレディセゾンの歴史

足利取締役は「クレディセゾンの歴史を振り返ると、ずっと“応援”をしてきた」と総括した。

1980~1990年代は女性・若者を応援してきた。女性が自分のカードを作れない時代に女性をターゲットにカードを発行してきたし、セゾングループの一員として女性の活躍を支え、新しいライフスタイルや若者文化を応援してきたという。

2000~2020年代前半はスポーツ・文化を応援。世界的テノール歌手のホセ・カレーラス、サッカー日本代表、埼玉西武ライオンズの協賛やスポンサードをしてきた。

そして、2020年代中期から現在に至る第3期がIP・推し活戦略に当たり、これまで野球、サッカー、バスケットボール、音楽、アーティスト・アイドル、VTuberなど、さまざまな領域で、IP・推し活戦略を展開してきたという。

とくに、サッカーについては2001年から応援し続けており、今年はFIFAワールドカップ2026の開催に合わせ、サッカー日本代表パートナーとして、デジタルサイネージで応援広告を掲出するなどした。

2026年の大きなトピックスとしては、Visaと連携した、アーティストのAdoとのコラボレーションがある。

7月4日、5日に開催されたライブ「Ado STADIUM LIVE 2026 Ao」に協賛したほか、7月4日にはAdoの名を冠した初のクレジットカード「SAISON CARD Digital<Ado>」の募集を、2027年6月30日までの期間限定で開始。Ado Staffのアカウントで、同カードの申込受付中と告知した。

さらに、「Ado STADIUM LIVE 2026 Ao」オリジナルゴブラン織りブランケットの販売を、公式通販サイト「STOREE SAISON」においてセゾンカードVisa会員限定で行った。

足利取締役はセゾン・ベンチャーズの代表取締役を兼務しているが、同社は推し活領域の企業に出資してきた実績をもつ。推しの応援ができるクレジットカード「nudge」を発行するナッジ、VTuberをはじめとするIPの総合プロデュースや公式グッズのECサイト運営、サブスクリプションサービス、ファンとの交流プラットフォームなど、IPの価値を最大化するためのプラットフォームを開発・運営しているBrave groupなどに出資しており、推し活領域でさまざまな知見とノウハウを有する企業と共創できる可能性がある。

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