決済処理額を19年で100倍超に拡大させたGMOペイメントゲートウェイ成長の軌跡
GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の決済処理額(連結ベース)は2004年9月期の1...

では、4つのパターンのうち、何が主流になっていくのだろうか。
中山執行役員は「そもそも消費者が本当にAIエージェントを受け入れるかどうかもわからない」と冷静に分析する。
「自分で納得するまで調べたり、比較したりして、主体的に購入する商品を決めたいという消費者の思いは根強いと考えられる」からだ。
だが、一方で、AIエージェントを活用すれば、労力が省けるし、時間も節約できるメリットがあるので、AIエージェントが普及する可能性も高いと見る。
ただ、AIエージェントが普及し始めるタイミングや、普及した場合に4つのパターンのうち何が主流になるかは「現時点では、誰にもわからない状態」だと分析する。
中山執行役員は「ECサイトが自社サイトに適したAIエージェントの活用方法を確立する、AIエージェントのレコメンデーションのスキルが向上する、そして消費者がAIエージェントを活用した購買体験を日常的に受け入れるようになるという3つの条件がすべて満たされるようになれば、ECにおけるAIエージェントの活用が拡大するフェーズを迎えるだろう」と見通す。
「価格が決め手になる買い物、決まった規格の商品を購入する場合は、AIエージェントを活用することで時間を短縮できるのでメリットがわかりやすい。まずはそういう領域でAIエージェントの活用が始まり、ECサイト、AIエージェント、そしてユーザーが共にスキル、ノウハウを積み重ねていき、ユーザーの趣味・嗜好を踏まえて提案する必要がある領域へと活用シーンが広がっていくシナリオは現実的に想定される」というのが、中山執行役員の分析だ。
中山執行役員の見立てでは、「AIエージェントコマースが消費者行動のマジョリティとなることは想定しづらい」という。ただ、個人消費約300兆円の20%でAIエージェントが活用されるようになれば、60兆円の市場になる。
そう考えれば、AIエージェントが活用されるのが、AIエージェントと親和性の高い種類の商品に限られていたとしても、AIエージェントコマースの普及に備えていく必要があるのだろう。
中山執行役員は、「AIエージェントコマースが世の中で一定程度は受け入れられるであろうという前提で、GMO-PGとしては、どのパターンが主流になっても対応できるよう、全方位で備えを進めている」という。
ただ、ECや決済への影響力という点では、やはりパターン1のインパクトが大きいと見通す。日常使いしているブラウザや検索エンジン、生成AIがAIエージェントコマースの機能を実装するパターンである。
冒頭見たように、たとえばGoogleの場合なら、AIモードで商品を探すと、いまはリンクカードが表示されて、それぞれの商品を取り扱っているECサイトに遷移し、そのECサイトで購入する形になっているが、いずれはGoogle内でショッピングが完結できるようになるとすれば、ブラウザや検索エンジン、生成AIはユーザーとのタッチポイントを強化できることになる。
中山執行役員は「一定の消費者行動が通常のECサイトからAIエージェントコマースへと移行した場合、ECサイトはAIエージェントが提供する購買体験のバックエンドのような立ち位置も求められる。ECサイト運営事業者はこの立ち位置の変化に対応する必要がある」という。
そうなると、「ECサイトはAIエージェントに商品をレコメンドしてもらうために、AIエージェントに商品情報を登録し、いかにAIエージェントに適切に自社商品をレコメンドしてもらえるようにするかが重要になる」という。
ECサイトは「エンドユーザーが見やすい従来の情報発信に加え、機械(AI)が理解しやすく、選びやすいよう、情報の持ち方の最適化も同時に求められるようになる」。
中山執行役員はメーカー系の直販サイトが台頭する可能性も指摘する。メーカーが生活者と直接つながりやすくなり、価格競争力を高めることができるからだ。