2024年度 決算詳報⑤ 流通系カード会社
流通系カード3社(クレディセゾン、イオンフィナンシャルサービス、ポケットカードの2024年度決算は、...

個別の事業者の実績を見ると、最大手のPayPayの24年度における取扱高は12兆5444億円と、前年度比24.5%増加した。
前述の統計が暦年ベースなので、四半期の実績を基に、PayPayの暦年ベースの取扱高を算出すると、11兆9189億円となり、シェアは63.9%となる。
22年67.0%、23年64.7%と逓減している。件数ベースでPayPayのシェアを見ると、24年(暦年)の決済回数は74億6113件だった。コード決済におけるシェアは64.8%で、23年の68.0%から低下した。
四つのキャッシュレス決済手段の合計件数の388億4192万件におけるPayPayのシェアは19.2%。
PayPayは3月31日に「キャッシュレス決済全体の約5回に1回がPayPay」で行われていると発表した。
コード決済を提供しているECや通信の大手事業者は、ポイントをフックとした経済圏を構築しているが、クレジットカードやコード決済の決済事業をポイント供給源として活用し、経済圏のシナジーを生かして、決済事業も成長させようとしている。
そういう視点でPayPayの実績を見ると、登録ユーザー数は7月15日時点で7000万人を突破しており、その顧客基盤を活用して、銀行、証券、保険事業を成長させようとしている。
LINEヤフーは「PayPayは決済アプリからデジタル金融プラットフォームを目指す」としており、その一環として25年4月にPayPay銀行の預金からPayPay決済をリアルタイムで行う「PayPay銀行残高」サービスをリリースした。
PayPay利用者にPayPay銀行の口座開設に誘導するサービスといえるが、PayPay銀行の口座数は894万口座、預金残高は1兆9122億円(25年3月末)と、楽天銀行の1648万口座、12.0兆円(24年末)と比べると見劣りするのは否めない。
PayPayとの連携を強化し、銀行事業の成長を促す戦略と見ることができる。PayPayカードの24年度の取扱高は32.9%増の6兆2730億円となった。やはり楽天カードには及ばないものの、PayPayとの連携が奏功し、成長力を高めている。
NTTドコモのd払いの24年度末のユーザー数(d払いアプリのダウンロード数とd払い(iD)会員数の合計)は6728万件で、12.8%増加した。
d払い取扱高は3兆4000億円と、23.1%増加した。暦年ベースの取扱高は3兆2270億円なので、d払いのコード決済市場におけるシェアは17.3%だった。PayPayと合わせると81.2%で、寡占市場になっている。
NTTドコモは決済サービスの利用で通信料金を割り引くデータ利用料無制限プランを打ち出し、決済サービスの利用でポイントを優遇することで、通信と決済・金融サービスのシナジーを追求している。
dカードの取扱高も24年度に10兆5200億円と、10兆円を超えた。7月10日には住信SBIネット銀行(預金残高9兆8141億円)の株式の公開買付を完了し、決済・金融経済圏のさらなる拡大を実現した。
月刊消費者信用2025年9月号掲載
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