2025年版 クレジット産業白書⑤ 電子マネー市場

生活のデバイスへの進化を目指すSuica

電子マネーの最近のトピックスを見ると、JR旅客鉄道(以下、JR東日本)が24年12月に、「Suicaの当たり前を超えます」と表明し、「Suica Renaissance」(以下、ルネッサンス)と題する戦略を公表したことが注目される。

JR東日本は24年6月に中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」を取りまとめ、Suicaを「移動のデバイス」から「生活のデバイス」に進化させる方針を打ち出した。

ルネッサンスはより具体的な施策を明らかにしたもので、①28年度に、新しくリリースされるSuicaアプリで、センターサーバー管理型の鉄道チケット(一定額を支払えば、割引運賃が適用されるサブスクチケットなど)、②Suicaをタッチせずに通過できるウォークスルー改札、位置情報等を活用した改札の導入、③27年春に首都圏(含む長野)、仙台、新潟、盛岡、青森、秋田のSuicaエリアを統合し、エリアをまたいだ乗車を可能にする、④センターサーバー化により、クレジットカードや銀行口座を紐付けることで「あと払い」を実現し、事前入金を不要にする、⑤26年秋にモバイルSuicaアプリをリニューアルし、現行の上限額である2万円を超えるコード決済機能や送金機能、クーポン機能などを実装する。

加えて、行政サービスなどとの連携により「ご当地Suica」を開発する計画も明らかにした。

一方、流通系電子マネーでは、イオンとイオンフィナンシャルサービスが6月に、AEON Pay(以下、AEONペイ)とWAONを統合したことで、iAEONアプリとイオンウォレットアプリ上に発行した「スマホのWAON」の残高とAEONペイの残高を相互移行ができるようになった。

利用者は、例えばWAONは利用できないがAEONペイが利用できる店舗で、WAONの残高をAEONペイに移行することで、コード決済ができるようになり、利便性が高まる。

物理的なカードのWAONは対象にならないが、将来はそれも可能にする方針。さらに、AEONペイとWAONのアカウントを一体化することも視野に入れている。

ちなみに、WAONとAEONペイのトランザクションは区別できるので、コード決済と電子マネーの統計に与える影響はないと見られる。

主な少額決済方式の実績は図表のとおり。

月刊消費者信用2025年9月号掲載

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