ジェーシービーがプレミアムカード向けサービスを次々に投入
ジェーシービー(以下、JCB)は、2025年度に入ってから、「JCB プレミアムカード」(以下、プレ...

スマホをベースにした新たなUI/UXの創出では、オリコの動きが注目される。23年7月に認定包括信用購入あっせんのライセンスを取得し、性能規定与信を開始したことで審査項目を大幅に減らし、23年9月に最短5分でアプリ上にデジタルカードを発行し、コード決済のUIでカード決済ができる「Orico Code 決済」をリリースした。
24年3月には「デジタルカード(カードレス)」をリリース。バーチャルカードを発行し、ネット決済はもちろん、Apple Payに登録することで非接触決済ができるようにした。さらに、25年2月にはデジタル分割払い「ワケタラ」をサービスイン。
専用アプリからの申込みに対し、カードを即時発行し、コード決済のUIでカードの分割払いができるようにした。
ポケットカードの「QR分割」もスマホを起点としてUI/UXを築き、急成長しているサービスだ。
QRコードを読み取り、専用サイトで支払金額、支払回数、審査項目を入力すると、5~15分で審査が終了し、分割払いできるサービスで、敷金・礼金等の分割払いなど不動産賃貸契約でのユースケースが増えている。
スマホアプリを起点とした経済圏の構築とポイント戦略の強化では、楽天やPayPayの成功に触発された形で、メガバンクがポイントをフックとした独自の経済圏づくりに乗り出した。
SMBCグループのオリーブのアカウント開設数は5月時点で570万件に達しているが、外部パートナーとの連携で機能を拡充しており、銀行、カード、保険、家計簿、資産運用などの金融サービスにシームレスにアクセスできる導線を築いている。
ただ、注目すべきは、カナダのホッパーとのパートナーシップにより旅行サイト「V トリップ」のサービスを開始したのに加え(本誌25年5月号)、ソフトバンクとの提携によってヘルスケアテクノロジーズと連携し、ヘルスケアポータルを提供する計画を打ち出し、旅行や健康・医療サービスへの導線も築きつつある点だ。
Vポイントの優遇などによりシナジーを高め、非金融サービスを含めたSMBC経済圏の構築を目指している。
これに対し、三菱UFJフィナンシャル・グループは6月2日に新しいサービスブランド「エムット」をリリースした(本誌25年7月号)。三菱UFJ銀行アプリを起点に証券、ネット証券、ウェルスナビ(ロボアドバイザーによる全自動資産運用サービス)、カンム(プリペイドカード)、リクルートMUFGビジネス、三菱UFJニコス、ジャックス、アコムのクレジットカードやコード決済(COIN+)、ローン、三菱UFJ信託の遺言・相続サービス、三菱UFJ不動産販売などのサービスをエムットブランドでつなぎ、シームレスな金融体験を提供する。MUFGはSMBCグループと異なり、金融に閉じた経済圏の構築を目指しているように見える。
26年度中にはグループ共通ポイントとして、新たにエムットポイントを発行し、取引量によってポイントを優遇するロイヤルティープログラムをスタートさせる予定だ。
みずほフィナンシャルグループは24年11月に、みずほ銀行はオリエントコーポレーション、ユーシーカードと共に、楽天グループ、楽天カードと業務提携した。
みずほポイントを楽天ポイントと等価交換できるようにし、相互送客を図ることで資産運用、決済サービスを拡大するとともに粘着性の高い預金の獲得を企図している。みずほの動きは、6番目の戦略である他の経済圏との相互送客を企図したアライアンスの例といえるだろう。
SMBCグループとSBIグループ、ソフトバンクとの提携も同じ文脈で捉えることが可能だ。
こうしたメガバンクによる経済圏の構築、経済圏同士の連携の中で、カード会社は重要な役割を担っている。
流通や交通の大手企業も自社の商業施設の周辺あるいは沿線の小売り・サービス業との連携により経済圏を構築しようとしており、傘下のカード会社は経済圏を束ねるポイントの主要な供給源としての役割担っている。
母体企業の経済圏の成否がクレジットカード市場の勢力図の変化につながる可能性がある。
月刊消費者信用2025年9月号掲載
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