ジェーシービーがプレミアムカード向けサービスを次々に投入
ジェーシービー(以下、JCB)は、2025年度に入ってから、「JCB プレミアムカード」(以下、プレ...

資産運用・投資サービスの強化では、これまでカード会社は、提携証券会社の投資信託をカード払いで定期的に購入する「クレカ積立」、投資商品の購入代金のカード決済に対しポイントを高還元するサービス、ポイントで投資商品が購入できるサービスなどを提供してきた。
若年層、壮年層に、老後の生活資金を確保するには年金だけでは足らないので、長期的に資産形成に取り組む必要があるという意識が高まっており、そうしたニーズに応えるために、資産形成・投資サービスを充実させてきた。
後述する経済圏においても証券は必須アイテムになっており、ポイントをフックにカードと証券のシナジーを高めたいという思惑も、こうした動きを加速しているといえる。
最近の動きを見ると、クレディセゾンが5月12日から、クレジット会社としては日本で初めて不動産セキュリティトークン「セゾンのスマート不動産投資」の募集を行ったほか、オリエントコーポレーションも6月20日に、不動産セキュリティ・トークン・オファリング事業を行うデジタル証券に丸紅らと共同出資するなど、不動産投資を小口化して、流動性を高められる新たな投資スキームを自社で手掛けたり、今後取り扱うために投資したりする動きが出ている。
前述のSMBCグループとSBIグループとの提携も、資産運用サービスの強化を図るもので、オリーブインフィニットではAIチャット、対面、電話・ビデオ通話など相談チャネルを自由に選択したり、専任アドバイザーを選べたりする方針で、この分野でも富裕層をターゲットとした動きが強まると考えられる。
セキュリティトークンなどによって、誰でも気軽に投資ができるようにする投資の民主化を志向する一方で、プレミアム会員に対する資産運用サービスの拡充という二つのベクトルで、資産形成・投資サービスの強化に取り組んでいくと見られる。
BtoB市場の強化では、中小企業や個人事業主に対し、売掛金・買掛金管理をデジタル化するとともに、資金繰りを円滑化するための請求書カード払い、ファクタリングなどのファイナンス機能を実装したデジタルプラットフォームの構築が進められている。
JCBが3月4日にマネーフォワードエックスと共同で「Cashmap」(以下、キャッシュマップ)をリリースし、入出金情報の管理、キャッシュフローの可視化、請求書カード払いの機能を提供し始めたが、今後もサービスメニューを拡充していく考えだ。
SMBCグループも5月26日法人向けデジタル総合サービス「Trunk」(以下、トランク)をリリース。
まずは三井住友口座を持たない企業がデジタル支店に口座開設し、三井住友カードのビジネスオーナーズに申し込むと最大2%のポイントを還元するサービスなどの提供を開始したが、25年度中には、モバイルベースの新しい請求書支払機能や複数の資金調達手段を一元的に管理できるフレキシブル・ファイナンス機能、26年度には、会計SaaSへの連携機能などを実装していくという。
オリコも支払・請求・会計(キャッシュフロー管理)の全ての業務フローをカバーするデジタルプラットフオームに、請求書カード払いやファクタリング、ビジネスローンなどのファイナンス機能を装備したオールインワンのデジタルプラットフォームの構築に取り組んでいる。
キャッシュマップとトランクはリリース済みだが、多様なサービスを実装していくのはこれからになるので、その意味ではデジタルプラットフォームにファイナンスサービスを組み込んでいく「SaaS×FinTech」の取組は始まったばかりで、各社がスタートラインに立っている状況といえるだろう。
この動きに他社がどう追随してくるかも注目される。
次のページ
スマホによる決済・分割払いが拡大 ≫最新情報などを配信中!!