決済処理額を19年で100倍超に拡大させたGMOペイメントゲートウェイ成長の軌跡

コロナ禍を経て新たな事業領域を強化

14年以降、新たな成長のステージに入ったGMO-PGだが、20年以降、再び転機が訪れる。

いわずと知れたコロナ禍である。コロナ禍の拡大と5類感染症への移行によって、ビジネス環境が大きく変化したことが、GMO-PGが自社のビジネスの在り方を問い直すきっかけとなったからだ。

 コロナ禍の影響でEC市場の成長が加速したが、行動制限がなくなりリベンジ消費が活発化し、インバウンド消費も回復している現在は、逆に対面取引のキャッシュレス化が急速に進展している。GMO-PGにおいては対面決済については子会社のGMOフィナンシャルゲートが三井住友カードと協働してステラターミナルを推進しているし、独自のマルチ決済端末ソリューションを提供しているが、「対面取引のキャッシュレス化をさらに支援していくための取組に、これまで以上に重点をおく必要がある」(戸澤執行役員)という問題意識を強めているという。

また、コロナ禍を契機にペーパーレス志向が強まったこともあり、企業のDXが加速しているという変化もある。企業間取引をオンラインで行いたいという意識が高まり、決済についてもオンラインで完結したいというニーズが強まった。

GMO-PGにとっても「企業間決済市場をさらに取り込むことで、事業領域を拡大することも課題」(戸澤執行役員)になっている。

BtoB市場の開拓が重点課題に

23年11月に、「請求書カード払い byGMO」の提供を開始したのもその一環といえる。買い手企業は銀行振込をカード払いにすることによって、支払期限を最大60日長くすることができるので、資金繰りを改善できるメリットがある。

GMO-PGにとっては、「1000兆円といわれるBtoB市場を開拓するための一つの手段」(戸澤執行役員)との位置付けだ。

第1弾としてユーシーカードと提携し、UCカードのユーザーである買い手企業に対してサービス提供しているので、カード会社向けのソリューションとも位置付けられるだろう。23年12月にはミロク情報サービスの経理業務DXアプリに請求書カード払い機能の提供を開始したので、デジタルプラットフォーマー向けのソリューションともいえそうだ。

23年3月には「給与デジタルマネー払い」領域への参入を宣言し、給与計算業務のアウトソーシングサービスを提供するペイロールとサービス設計及び業務運用やシステム構築等の協議を開始したのもユニークな取組だ。21年7月から「即給 byGMO」というソリューションも提供しており、給与の支払という業務においても企業のDXをサポートするソリューションの開発に取り組んでいるわけだ。消費者目線で見れば、支出だけでなく、給与を受け取る収入のシーンをカバーするサービスともいえる。

営業利益を25%成長させる計画を打ち出す

GMO-PGの成長の軌跡をたどってきたが、23年9月期の年間決済処理金額(連結ベース)は14.9兆円に達している。04年9月期の1200億円と比べると、124.2倍の水準だ。この19年間のCAGR(年平均成長率)は、29.1%の高い水準にある。

GMO-PGは常に決済代行市場でシェアナンバー1を維持し続け、05年度の東証マザーズ上場以来、18期連続で増収増益を果たしている。

GMO-PGが最も重要なKPIと位置付けている営業利益は、23年9月期に203.1億円に達した。前年度比25.0%増と大きく伸長したわけだが、実はGMO-PGの営業利益は過去一貫して前年度比20%以上、CAGRでは25%以上の成長を続けてきた。

この間、リーマンショックやコロナ禍により個人消費が大きく落ち込む時期があったわけだが、そうした経済ショックをものともせずに成長を維持してきたことは特筆に値する。

現在、GMO-PGは事業領域をさらに拡大させ、24年度に250億円、30年度に1000億円の達成を目指している。

月刊消費者信用2024年3月号掲載

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