2024年度 決算詳報⑤ 流通系カード会社
流通系カード3社(クレディセゾン、イオンフィナンシャルサービス、ポケットカードの2024年度決算は、...

実は、自社ペイとクレディセゾンの提携カードが一体となったビジネスモデルは、ベイシアが初めてではない。同じベイシアグループのホームセンターチェーンであるカインズで先に採用されている。24年11月にリリースしたCAINZ Pay(カインズペイ)とCAINZセゾンカードである。
ベイシアペイとベイシアセゾンカードは、カインズが採用したビジネスモデルを横展開したものといってよい。
そうであれば、カインズグループのワークマンやハンズ、ベイシア電器などでも採用される可能性があるのだろうか。
くみまちフィンテックの高島室長は「当然そこは意識している」と明言する。カインズで独自の決済システムを導入した時点で、くみまちフィンテックはベイシアグループの各社が自社アプリに自社ペイを組み込めるようにSDK(Software Development Kit)を公開した。
このため、ベイシアの開発者はSDKを参照し、ベイシア公式アプリにベイシアペイを組み込むことができたのだという。
そうであれば、ベイシアグループの各社は比較的容易にかつ短期間で自社ペイを自社アプリに実装できるだろう。
見方を変えれば、クレディセゾンにとって、ベイシアグループの各社と提携カードを発行するチャンスが控えているということになる。
では、くみまちフィンテックがベイシアグループの垣根を越えて、グループ外の企業に対し、自社ペイ実装のサポートをすることはありえるのだろうか。
その点について、高島室長は「まずはベイシアグループ内で横展開していくのがファーストステップ」としながらも、「ゆくゆくはグループの中に閉じずに、外部への展開も見据えていく」という。
実はくみまちフィンテックの社名には、そうした外部への展開を目指すという含意があるのだという。
社名の「くみまち」はカインズが21年に提唱した「くみまち構想」が元になっている。くみまち構想は「カインズの店舗やメンバー(従業員)がハブとなり、それぞれの地域における困り事や関心、ニーズに丁寧に耳を傾け、暮らしに携わるさまざまなステークホルダーと協働/共創することで、人々が自立し、共に楽しみ、助け合える、“一人一人が主役になれる『まち』(≒地域社会)”の実現を目指す」取組で、ベイシアグループ版のSDGsといえる活動だ。
「まちと組む」から「くみまち」というわけだが、そうしたビジョンを冠する企業であれば、地域の小売業にベイシアペイ等のノウハウやシステム基盤を提供していくことは大いにありえるのだろう。
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