Visaがトークンを利用する「クリック決済」を日本で導入

不正利用が半減したEC加盟店も

クリック決済は世界的に見れば、すでに導入が進んでいる。欧米では、19年から導入が始まったという。

その導入効果は大きく、テクニカル・イネーブルメント部の村城智香子シニアマネージャーによると、「イギリスのJust Eat Takeaway.comでは従来の手入力のカード決済に比べ、不正利用件数が50%削減され、オーソリ承認率は8%改善、購入者が決済にかかる時間は4分の1に短縮された」という。比較的最近の導入事例だというが、導入効果の大きさが分かる。

オンライン決済のプロセスが複雑、サイトの安全性に不安がある、カードが承認されなかったといった理由で取引を途中でやめてしまう消費者は多い。いわゆる「かご落ち」だが、かご落ちによる機会損失を増やしたくないがゆえに、EC加盟店は決済体験が煩雑になりがちなセキュリティ対策に慎重だった部分がある。セキュリティと決済体験を両立できるクリック決済は、EC加盟店の悩みを解消するソリューションといえる。

イシュアー、アクワイアラーの働きかけが普及の鍵に

田中部長は、「クリック決済はパスキーと一体として利用されることで、カード取引の安全性を格段に高め、本人認証に伴う煩わしさを軽減し、決済体験を高めることができるツールだ。

カード会員と加盟店の双方がトークンをベースにしたクリック決済のメリットを享受できるよう、普及に取り組んでいきたい」と力を込める。

トークンを活用した決済は、対面取引においてはApple PayやGoogle Payに代表されるモバイル決済ですでに実装されている。

対面取引が先行していたわけだが、Visaでは以前から、トークンベースの決済をECにも拡大することをミッションと位置付けていた。

日本でもようやく、それが実現できる環境が整ったということだろう。9月の発表はVisaとして普及に本格的に取り組むことの決意表明だったといえるだろう。

普及には、イシュアーが会員にクリック決済への登録を呼びかけ、アクワアラーやPSPがEC加盟店に導入を勧奨していく働きかけが重要になる。カード業界を挙げての取組が求められよう。

クリック決済はEMVCoで標準化された仕組みなので、他の国際ブランドも日本の市場に向けてローンチしてくるだろう。

日本の非対面のカード取引に、新しい決済インフラが普及することを期待したい。

月刊消費者信用2025年11月号掲載

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