2025年版 クレジット産業白書② クレジットカード市場
2024年のクレジットカードのカードショッピング取扱高は116兆円を突破した。前年比10.6%増と2...

(写真はイメージです)
さて、そのラグジュアリーカードは、どれほどの実績を上げているのだろうか。
ラグジュアリーカードが3月31日に公表した「2024年の新富裕層の消費動向」には、その急成長ぶりの一端が紹介されている。
実数は非公表だが、17年の会員数と24年の会員を比べると、5倍を上回る水準になった。24年の新規入会者の30%が35歳以下で占められており、これまでボリュームゾーンだった30~40歳代よりも若年層の入会が増加傾向にあるという。会員の約7割を経営者層が占め、上位50%の会員の平均年収は6000万円以上、年間平均決済金額は3000万円以上だ。
取扱高(納税を除く)も実数は非公表だが、24年は前年比で30%増加したという。
海外取扱高は40%増と、さらに高い伸びだ。24年12月には単月の取扱高で過去最高を記録した。
特定カテゴリーの加盟店での取扱高の動きを見ると、高級時計ロレックスの店舗取扱高は前年の5.3倍になった。エルメス(パリ店)は13.3倍に。半面、ユニクロ・GUも2.1倍になっており、ラグジェアリーブランドだけでなく、自らに合ったファッションを選ぶ、新富裕層らしい傾向が見られる。
こうした実績からは、ラグジュアリーカードが日本のプレミアムカード市場で存在感を高めていることがうかがわれるが、では、ラグジュアリーカードはなぜ日本で成功したのか。
その秘けつとして児玉CDMOは、「決済手段としてきちんと利用できる点を最も重視しながら、実利とステータス感をバランスよく訴求できた」点を挙げる。
マスターカードという国際ブランドを付帯しているのは、できるだけ多くのアクセプタンスを確保するためだし、イシュイングやプロセシングをクレジットカード事業のプロフェッショナルであるアプラスに任せているのも、決済機能を確実・安全に提供するためだ。
また、前出のように会員には経営者層が多く、ビジネスユースにも耐え得る決済機能を提供する必要がある。
その点では「アプラスが与信ノウハウを駆使することで、ラグジュアリーカードの決済機能を支えている」(児玉CDMO)。
20年に開始した「事前入金サービス」というユニークなサービスも、決済機能を支える仕組みだ。
与信枠を超える特定の高額な利用目的に合わせ、会員が利用したい金額をあらかじめ指定の銀行口座に入金することにより変則的に支払うことで、カードの利用限度額を一時的に引き上げられる仕組みだ。
これにより、最大で9990万円までの決済に対応している。
一方、実利の面では、カードのランクが上がるにつれ、ポイント還元率が高まる仕組みが注目されるが、実はコード決済や電子マネーの残高を入金するためのカード決済など、ポイント付与の対象外となる取引を極力設けないでおり、また商品との交換レートも高く設定している点がポイントだ。
「年会費が安いカードだと、採算性を確保するために、ポイント付与の対象外の取引を設定したりするが、ラグジュアリーカードはほとんどのユースケースに対し、同率の還元を行う」ので、「実際に使ってみて、ポイントがたまりやすいと感じて、メインカードとして利用し始める会員が多い」という。
前入金サービスで決済した場合も通常の還元率を適用するので、ビジネスオーナーなどは特に利得性を感じるのだろう。
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