債権管理・回収のDXに挑戦するアプラス

業容の拡大が続き処理が限界に達する恐れ

アプラスがここをスタートラインとして、DXに踏み出した背景にはどのような問題意識があったのだろうか。

宮沢博光管理部長は「従前から債権管理・回収業務の効率化に取り組んできたが、当社の事業規模が急速に拡大する中、これまでの延長線上の施策では、いずれ業務処理に限界が生じると危機感を抱いていた」という。

アプラスはここ数年、安定的な成長を続けている。営業資産残高(連結)の推移を見ると17年3月末は7951億円だったが、24年3月末は1兆6537億円と、7年間で2・1倍に増えた。「延滞率そのものは低い水準で抑制できているが、残高増加によって延滞債権のボリュームが増えるのは避けられない。しかし、一定のスキルを持った人材を育成するのには時間がかかるため、業務量が倍になったからといって、債権管理・回収業務の人員をすぐに倍に増やせるわけではない。DXによって、増加する業務量に対処するしかない」と、秋元部長もDXの必要性を強く感じていた。

「債権管理・回収業務のDXは、当社が業容を拡大し、成長を続けていくために不可欠な取組」(宮沢部長)との認識を強めたアプラスは、TCS等の成功体験を踏まえ、さらなるDXに舵かじを切った。

マニュアル作成のデジタル化でペーパーレスに

次に取り組んだ施策は、富士フイルムビジネスイノベーションが提供している文書管理ソフト「DocuWorks」を活用した、文書管理の効率化、ペーパーレス化だった。21年6月の導入以前は、弁護士からファクスで送られてきた受任通知などの紙の文書を担当部署間で回付していたが、導入後はファクスに送られてきたデータをワークフローに直接取り込めるようになったという。年間紙使用量を40%削減できるなどの導入効果があった。

22年1月にはスタディストの「Teachme Biz」を導入した。クラウド上で写真や動画を用いた分かりやすいマニュアルを簡単に作成でき、そのマニュアルを社員が共有できるプラットフォームだ。例えば、「コールセンターのオペレーター向けのマニュアルであれば、実際にモニターに表示される画面のスクリーンショットをマニュアルに取り込めるので、操作方法などを分かりやすく伝えることができ、研修などを効率化できた」(放生會次長)という。マニュアルごとにURLが発行されるので、それを連携すれば、簡単にマニュアルにアクセスできるのも使い勝手の良い点だ。これらの機能は、後述するNYUSやマイペイメントの導入時に、社内で情報を共有し、理解を深めるのに役立ったという。

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