セブン銀行が目指すATMプラットフォーム戦略の可能性

入出金にとどまらない多角的なサービスを志向

だが、セブン銀行の柏熊俊克ATM+企画部長兼グループ長は、「ATM事業は19年を境にして、新たなフェーズに入った」という。

「キャッシュレス化が進展する中で、経営層にATM事業を変革しなければいけないという危機意識が芽生えた」からだ。

それまでのATMが提供するサービスは、電子マネーなどの決済手段への入金(チャージ)も含めて、現金の入出金に限られていたといってもよい。

だが、キャッシュレス化が進展すれば、現金そのものが必要ではなくなるので、ATMに対する需要も失われてしまう。「現金の入出金にとどまらないサービスを開発していかなければならない」と考えたセブン銀行は、それまでなかったスペックを備えた、新機種の導入に踏み切る。それが第4世代のATMだ。

セブン銀行はこれまでも、入出金の処理スピードを高めたり、UI(顧客インターフェース)を向上したりするために、ATMの改良を続けてきた。

01年の営業開始時のATMを第1世代とすれば、05年には日本初の「セカンドディスプレイ」を搭載した第2世代の導入を開始する。二つ目のディスプレーを装備することで、顧客に操作方法を案内したり、キャンペーン情報や新サービスを告知したりできるようにし、顧客体験の向上を図ったわけだ。

セブン銀行にとっては、ATMの運営効率を高めることにもつながった。続いて、10年には第3世代ATMを投入する。紙幣処理速度等を高め、取引の高速化を実現した。

QRコード、ICチップを読み取る第4世代ATM

ここまでは、入出金の機能向上、顧客体験向上を主眼とする改良だったが、19年に登場した第4世代ATMでも現金の入出金の基本機能を高める改良、例えばATM画面の見やすさの向上や車いすの利用者でも使いやすいようユニバーサルデザインの追求などを行ったが、それにとどまらず、それまでにはない新しい機能が加えられた。

一つ目はタイプA/Bの非接触ICにも対応するマルチICリーダーとイメージスキャナー機能。

これにより、①運転免許証やマイナンバーカードなど本人確認書類のイメージスキャン、②本人確認書類のICチップに記録された情報の読み取り、③QRコードの読み取りが可能になった。

二つ目は、顔認証機能。防犯対策として、以前から顧客に向けてカメラが設置されていたが、NECの顔認証エンジン「NeoFace」(以下、ネオフェイス)を活用することで、顔認証による本人認証ができるようにした。

このほか、Bluetooth(以下、ブルートゥース)機能も搭載し、ブルートゥース機能をオンにした状態のスマートフォンに、クーポンや利用明細などの情報を配信できるようにした。

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