アライアンスが相次ぐGeNiEのエンベデッド・ファイナンス戦略

金融包摂の実現を目指す事業者との提携も

3番目の提携先は、モノ資産の管理・活用アプリ「cashari」(以下、カシャリ)の開発・運営を行っているガレージバンク。カシャリはゲーム機、ブランドアイテム、自動車など、保有しているモノの写真をスマホで撮るだけで、その資産価値を30秒で確認でき、売却したり、リースバックしたりすることで資金化できるサービス。

デジタル時代の「質屋」とでもいえそうなサービスだ。

ガレージバンクは12月17日、カシャリ内で貸付サービス「cashariマネー」の提供を開始した。利用者は自身のモノ資産をカシャリで資金化するだけでなく、借入れという選択肢も手に入れられるわけだ。

4番目の提携先は、IDOM CaaS Technology(イドム・カース・テクノロジー、以下、ICT)。ICTはカーリースの形態で、自動車のサブスクリプションサービス「ノレル(NOREL)」を提供している。

ノレルはあらゆる人がカーライフにアクセスできることを目指しているサービス。自動車の購入には金融機関のマイカーローンや信販会社のオートローンを活用するのが一般的だが、ICTの調べによると信販会社の審査に通るのは申し込んだ人の4割程度で6割の人はクレジット契約を結べないという。

そこでICTは独自の与信ロジックとガリバーで培った残価設定ノウハウを活用することで、信販会社のように年収や勤務先などの属性情報を基に支払能力を判定するのではない、新しい与信モデルの構築に取り組んでいるという。

ICTがユニークな与信モデルを構築しようとしているのは、ノレルのリース契約の審査を通らなかった人に対するアプローチからも分かる。

ノレルの審査に落ちた人にはレンタカーを提供し、その支払実績や運転データなどから信用スコアを算出。一定の信用力があると判断できる場合には、リース契約に切り替えるという。

そのICTは25年1月28日、ノレルの利用者に貸付サービス「NOREL MONEY」の提供を開始した。

ICTがマネーのランプを導入したのは、ノレルの利用者の資金ニーズに応えるためだが、ICT独自の与信ノウハウに、貸金業者であるジーニーのノウハウを掛け合わせることで、自社の与信モデルを高度化する狙いもある。

5番目の提携先は、人材マッチングサービスを提供しているクラウドワークス。クラウドワークスの人材マッチングサービスは、イラストレーターやライターなどのフリーランスとフリーランスに仕事を発注したい企業等を結ぶサービスで、登録ワーカーは600万人、利用企業は100万社以上に及ぶフリーランス業界最大のプラットフォームだ。

クラウドワークスは2月19日、そのプラットフォーム上で「クラウドワークス クイックローン」の提供を始めた。

クラウドワークスがマネーのランプを導入したのは、フリーランスの金融包摂の実現が目的だという。フリーランスは収入が不安定だと考えられており、一般的にローンの審査に通りにくく、与信枠も低く設定されがちだ。安定的な収入を得ているフリーランスもいるが、与信事業者は個々のフリーランスの受注状況、スキルの水準や評価を知ることはできないため、実績や能力に関係なく、ひとくくりで与信判断せざるを得なかった。

だが、クラウドワークスには登録しているフリーランスの受注実績等のデータが蓄積されているので、勤務実態を正確に把握できる。クラウドワークスとジーニーは協働することで、フリーランスのための新たな与信モデルを構築できると考えたという。

クラウドワークスは仕事を紹介するという点でフリーランスを支援してきたが、次のステップとして経済的な支援もできるよう、マネーのランプを導入したといえそうだ。

6番目の提携先は、TISインテックグループ傘下のフィンテック企業Yeny(以下、エニィ)だ。

同社は、前払式支払手段の第三者型発行者と資金移動業のライセンスを有し、Visaブランドのプリペイドカード「ultra pay カード」(以下、ウルトラペイカード)を発行している。そのウルトラペイカードアプリにマネーのランプを導入した。後述する、広告という新しい提携スキームを採用している。

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