感動体験を提供するプレミアムカードの先駆者ダイナースクラブ

999枚限定のロイヤルプレミアムカード

最後になったが、最上位に位置するロイヤルプレミアムカードの戦略を紹介しよう。

ロイヤルプレミアムカードでは、会員とダイナースクラブがワン・トゥ・ワンの関係性を築いており、他のカード会員とは異なるアプローチの仕方をしている。

999枚に限定しているのは、その希少性を演出する効果もあるのだろうが、「それ以上会員を増やすと、ワン・トゥ・ワンのサービスが提供できない」(石田本部長)というのが本当の理由だという。

イシュイング企画部プレミアムカード企画チームの松田希沙チーム長は、「ロイヤルプレミアム会員には一人一人に専任のコンシェルジュが付き、個々の会員の趣味・嗜好をよく理解した上で、イベントに招待したり、ギフトをプレゼントしたりする」という。

24年2月には、「会員制『綱町三井倶楽部』で味わう希少ワインとフランス料理の夕べ」を、阿川佐和子さん、檀ふみさんを特別ゲストに招いて開催したが、こういうイベントへの提案や招待も、会員のワインや料理の好みなどを理解した上で行うという。

世界旅行を全て手配してほしいというオーダーが入ることもあるが、「全て任せて安心して行きたい」という会員であれば、航空券、ホテルや食事、現地での観光ツアーなどの予約を全て手配する。

旅行の間のスケジュールは全て把握しており、フライトが遅れるといった事態が発生すれば、代わりのホテルをすぐに手配するなど、臨機応変にサポートするという。

65周年イベントでプレミアムラウンジを無料開放

石田本部長は「富裕層向けのプレミアムカード、貴重な体験を通じた感動の提供、といったサービスコンセプトを実践してきたという点で、われわれは先駆者だと思うし、行っていることには誇りを持っている」と自信を見せる。各種イベントを通じた会員との対面での交流が、ダイナースクラブの強みであることは、疑う余地がないだろう。

ダイナースクラブは今年、創業65周年を迎えた。7月から8月にかけ、銀座と大阪梅田のプレミアムラウンジで65周年記念イベントを開催した。銀座の「Mid-Summer Lounge 2025 銀座」では、欧州ワイン試飲会、ウクレレミュージシャンRIOによる生演奏会、日本酒試飲会、ベルギービール試飲会を実施した。

ダイナースクラブの会員はもちろん、会員でなくてもアンケートに回答すれば誰でも参加できるようにした。プレミアムラウンジを無料開放したわけで、“大盤振る舞い”といえるが、もちろん初めての試み。会員や将来の会員候補とのコミュニケーションが深められたに違いない。

月刊消費者信用2025年10月号掲載

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