ジェーシービーがプレミアムカード向けサービスを次々に投入
ジェーシービー(以下、JCB)は、2025年度に入ってから、「JCB プレミアムカード」(以下、プレ...

一方、マネーフォワードエックスは「資金の出入りを可視化することまではできていたが、キャッシュフローをコントロールするという出口戦略を提案するまでには至らなかった。ゴールにたどり着くには、法人向けの与信機能を有する事業者と協業する必要がある」(浦岡副部長)という課題認識を持っていた。
その点、JCBは法人カードというビジネスモデルを通じて、法人向けの与信サービスを行ってきた。特に「中小企業や個人事業主を対象に行った調査によると、当社が発行するビジネスカードの保有率が最も高いという結果が得られており、業界最大規模の顧客基盤を築いている」と自負する(中村部長)。
また、JCBはシングルアクワイアラーとして、業界トップクラスの加盟店基盤を擁しており、その中には多くの中小企業、個人事業主が含まれている。そうした加盟店基盤を生かし、24年7月には加盟店向けに「JCB.売上前払いサービス」の提供を開始した。これは「将来債権ファクタリング」といわれるファイナンスサービスで、JCBが事前に審査を行い、サービスを利用できると判断した加盟店のみに案内を行う。案内を受け取った加盟店は申込上限金額(10~200万円)の範囲で必要金額と精算プランを選択してウェブで申し込めば、最短3営業日で資金調達できる仕組みだ。
こうした法人向けの与信ビジネスの実績に着目し、マネーフォワードエックスはJCBと共創することで、資金管理のプラットフォームにファイナンス機能を実装するアプローチを選んだ。
また、マネーフォワードエックスにとっては、JCBの有するフランチャイジー(FC)のネットワークも魅力だった。JCBグループはJCBも含め100を数えるカード会社と銀行からなっており、銀行系カードのフランチャイザーとして最大の規模を誇っている。金融機関向けのソリューションを提供してきたマネーフォワードエックスも数多くの金融機関と提携関係を持つが、JCBのFC基盤を活用することで、より多くの金融機関や、その顧客となる中小企業・個人事業主にタッチできるようになると期待したわけだ。 JCBはFC制度が生まれる前、1961年の創業直後から金融機関と提携し、加盟店開拓等を行ってきた実績があるから、金融機関とはより深くて長い関係性を築いている。
このようにお互いのリソースや知見を掛け合わせることができれば、それぞれのビジネスを発展させることができると考えた両社は、キャッシュマップの開発を通じて培った信頼関係も踏まえ、金融機関の法人顧客を対象として新規事業の共創を行うことで基本合意契約書を締結。同時にキャッシュマップをリリースした。
キャッシュマップの開発という形で、両社の共創はすでに始まっていたが、キャッシュマップにとどまらず、金融機関の法人顧客のDX、ひいては金融機関のDXに貢献するソリューションを幅広く考えていこうと、アライアンスを締結したといえるだろう。
中村部長は「キャッシュマップをJCBグループカード会社のFC各社やその母体銀行と協働して推進していきながら、例えば特定の金融機関向けのカスタマイズや法人ポータルの開発といったプロジェクトが生まれるかもしれない。そうした金融機関への事業展開を見据えて、マネーフォワードエックスと共創するアライアンスを組んだ」と説明する。
金融機関が取引先にキャッシュマップを提供すれば、これまでのような決算書等の静的情報を中心に与信判断するのではなく、複数の口座情報等の動的な情報を確認しながらリスクコントロールできるようになるので、より柔軟な与信が可能となるだろう。
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