決済処理額を19年で100倍超に拡大させたGMOペイメントゲートウェイ成長の軌跡
GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の決済処理額(連結ベース)は2004年9月期の1...

第2のパターンは汎用的なものではなく、特定の分野に専門特化したAIエージェントだ。中山執行役員は「アパレル、旅行、家電などの商品選択に一定の専門性が求められ、消費者が詳細情報を必要とする分野を想定している」と指摘する。
そうした専門特化したAIエージェントの可能性を示唆しているのが、ウォルマートが実施した実証実験の結果だ。
ウォルマートは2025年11月、OpenAIが提供する「Instant Checkout(インスタント・チェックアウト)」という機能を使い、約20万点の自社商品をChatGPT内で直接販売するテストを開始した。 ユーザーがウォルマートのサイトに遷移することなく、ChatGPTとの会話画面中だけで商品の検索から決済までを完結できる、フリクションレスの購買体験を提供できるようになるかを検証するものだった。
だが、ウォルマートが2026年3月に発表したところによると、ChatGPTとのチャット内での購入率は通常の自社サイト経由と比べて3分の1にとどまったという。
ネット上にはこの失敗の原因を解説する記事が多数存在する。チャットによるテキストベースの会話では商品を比較しにくかったとか、決済のためにAIにカード情報を伝えることに消費者が慣れていなかったなど、さまざまな要因があったようだが、中山執行役員は「汎用的な生成AIは情報収集や推論の能力は高いが、レコメンドのスキルが必ずしも高いとはいえない可能性がある」と指摘する。
そうであれば、アパレルや旅行などの分野に精通した企業が、その知見を活かして、独自のAIエージェントを開発したほうが顧客体験を高められるのかもしれない。
たとえば、いまでも旅行に関しては、すでに宿泊施設を検索して予約できるサイトはあるが、ユーザーが指定した条件(目的地、日程、予算など)に合致するものを拾ってくるルールベースの検索機能にとどまっている。
だが、大手旅行代理店などが独自に学習させたAIエージェントを開発すれば、「高齢の両親を、移動が少なく、のんびりと過ごせる旅行に連れていきたい」など、曖昧な希望や目的(インテント)から旅行プランを提示できるようになるかもしれない。
周辺の観光施設などの情報を盛り込んで、特別な体験を提案できるようになる可能性もあるだろう。
第3のパターンはAmazonや楽天など、既存の大手ショッピングモールがAIエージェント機能を組み込むパターンだ。Amazonはすでに「Rufus(ルーファス)」というAIアシスタントのベータ版を実装し始めている。
Amazonの説明によると、RufusはAI搭載のショッピングアシスタントだ。スマートフォンのAmazonショッピングアプリであれば、画面下部のナビゲーションバーにRufusのアイコンがある。デスクトップまたはノートパソコンの場合は、ナビゲーションバーの左上にRufusのボタンが表示される。
アイコンやボタンを押すと、Rufusのチャットボックスが表示され、質問を書き込むと、Rufusが回答してくれる。
これまでは、商品名で検索するのが一般的だったが、Rufusでは「週末のキャンプ旅行に必要なものは?」とか、「コーヒーメーカーにはどんな種類がある?」といった質問ができると、Amazonは説明する。
こうした質問に対してRufusは、より詳細な条件をたずねたりしながら、適した商品を提示してくれる。
Rufusは、 ショッピングアプリでは日本のすべての顧客向けに展開しているが、デスクトップ版は現在、一部の顧客だけが利用でき、今後テスト期間を経てさらに多くの顧客に展開する予定だという。
第4のパターンは、アフィリエイトモデルといえるものだ。
比較サイトやインフルエンサーがお薦めの商品を紹介し、その商品をクリックすると、その商品を扱っているECサイトに遷移し、商品を購入できる仕組はいまでもあるが、このようなアフィリエイト事業者が商品購入・決済の支援まで手を広げてくる可能性も考えられる。
もし、アフィリエイトサイトから遷移せずにAIエージェントを通じた購買行動まで完了するのならば、消費者体験やEC事業者の戦略も変わってくるかもしれない。