債権管理・回収のDXに挑戦するアプラス

督促状の被返却処理をアウトソーシング

23年3月には督促状の被返却処理の外部委託を開始した。督促状の発送件数は月に数万件に及ぶが、「あて所に尋ねあたりません」と押印され返却されてくるものが一定数ある。

その記録の保存等の作業を、もともと発送作業を委託していたTOPPANエッジに外部委託した。個々の督促状にQRコードを印字しておき、委託先の私書箱に返却された督促状のQRコードを読み取ることで被返却データが自動作成できるようになっており、それをCSV形式でフィードバックしてもらい、交渉記録として残せるようにした。月の処理件数は数千件あったので、外部委託によりアプラスとしては月間数百時間の労働時間を削減できたという。紙をハンドリングする必要もなくなった。

24年1月には、GMOグローバルサインのプラットフォームを活用して、返済条件を変更した顧客との和解契約の締結に電子契約を導入した。顧客が受け取ったSMSに記載されたURLをクリックすると、ウェブ上で和解契約が締結できる仕組みだ。運用を始めて約1年だが、全和解契約のかなりの数が電子化できているという。以前は紙の契約書を送付し、署名・押印後に返却してもらっていた。返信がないとか、契約書に不備があったりして契約締結が進まないことも多かったが、そうした契約遅延が一気に解消されたという。「SMSを発信した直後に架電して、お客様がURLをタップして契約内容を確認しながら会話できる。紙のやりとりのように間を空けずにすむため、お客様の行動を促しやすくなった」(秋元部長)。

「以前はお客様のお手を煩わせてしまうこともあったが、いまはスマホですぐに契約できるので、お客様のUI/UXが向上している」と、放生會次長は分析する。

SMSとコンビニ払いを組み合わせた回収システム

同じように、顧客のUI/UX向上によって、回収効率を高めたといえるのが、24年3月に打ち出した施策だ。SMSを活用した入金約束の受付とスマホを用いたコンビニ入金サービスの提供である。アイティフォーのNYUS(ニュース)とマイペイメントというソリューションを組み合わせ、スマホをベースにしたUI/UXを築くことで、回収効率を格段に向上させた。

NYUSは顧客がSMSに記載されたURLをタップすると、入金約束の入力画面に遷移し(画像)、入金予定日などを登録できるサービスだ。

マイペイメントは顧客への請求データを基にスマホ上でバーコードを発行する機能だが、NYUSと連携させることで、入金約束画面でコンビニ支払を選択すると、マイペイメントの画面に遷移してバーコードが表示されるので、それをコンビニのレジで読み取ってもらえば、督促はがきや払込票がなくても入金ができるようになる。入金があればその情報はTCSに自動連携される。

入金約束の登録から、返済までがスマホ一つでできるので、顧客にとってはシームレスなUI/UXが築けているといえるだろう。従来は、督促はがきで払込みをするよう電話で要請していたが、「連絡がとれてもお客様が外出中の場合は、手元にはがきがないためにすぐに支払うという行動を促しにくい面があったという」(秋元部長)という。

SMSを送信した顧客のうち、NYUSへのアクセスや実際に入金約束を登録した顧客の数は着実に増加している。また、入金約束した人の多くがマイペイメントで入金するというから、スマホで完結するUI/UXが顧客から支持されていることが分かる。「督促ができない21時以降の夜間の時間帯に、自発的に入金約束を登録し、コンビニで支払うお客様も多く、回収効率が高まっている」という効果もある。

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