三井住友カードがAIを活用しコンタクトセンター業務を高度化

三井住友カードがAIを活用しコンタクトセンター業務を高度化

三井住友カードは2024年6月、検索拡張生成(RAG)技術を活用し、コンタクトセンターに寄せられるカード会員からの問合せに対し、生成AIが回答案を自動生成する仕組みを導入した。顧客からの問合せに迅速に回答することで、顧客体験の向上を図った形だ。オペレーターの業務負荷を軽減し、コールセンター業務の効率化も実現できたという。生成AIの顧客サービスへの活用は、消費者信用業界のいずれの企業も目指しているが、実用化した例はほとんどない。それを1年以上前に実現したこの取組は業界の最先端を行くものといえるが、実際にどのような効果を上げているのだろうか。

メール・チャットでの問合せが急増

三井住友カードがコンタクトセンターでRAG技術を用いた生成AIの活用に踏み切ったのは、コンタクトセンターにおける問合せチャネルが急速に多様化してきた現実を踏まえたものだ。

コンタクトセンターといえば、顧客が電話で問い合わせたり、諸届けを行ったりするのが主流だが、最近は「電話以外のチャネルを利用するニーズが高まってきている」とオペレーションサービス本部オペレーションサービス統括部の小野友也部長代理はいう。

三井住友カードの会員数は24年度に7.7%増えた。カードショッピング取扱高は12.1%増と大きく伸長した。業容が拡大すれば、当然ながらコールセンターの業務量も増える。電話だけでなく、メールやチャットなどのチャネルも拡充し、顧客の望むチャネルで、迅速に顧客対応ができるマルチチャネル環境を拡充する必要があった。

このため、「メールフォームをお客様の目に触れやすいよう、積極的に開示するようになった。会員向けウェブサービスであるVpass(以下、Vpass)サイトでもメールの利用を積極的に呼びかけるようになった」(小野部長代理)という。

24年時点では月平均1000~2000件程度しかなかったメールでの問合せ件数は、Vpassでのメールフォームの拡充によって4~5万件の潜在的な顧客ニーズに応えることができた。

チャットはVpassサイトに動線を設けていたこともあり、以前から月間2万件程度の利用があったが、メールフォームと同様にチャット導線を拡充し月間3~4万件の潜在ニーズに応えることができた。

だが、そうなると、今度はメールやチャットでの問合せへの対応をいかに省力化、効率化するかという課題が浮上する。メールへの対応は、質問の内容を見て、オペレーターが回答を入力するわけだが、電話のように即時対応する必要はないとはいえ、月間5万件というレベルになると、かなりの業務量といえる。

そこで、三井住友カードは、オペレーターの応対スピードを速くし、顧客体験の向上を図るために、生成AIの導入を検討する。

メールとチャットを対象に生成AIの活用を検討したのは、「電話対応については、IVR(自動音声応答システム)を導入するなど、効率化を進めてきたが、メールやチャットへの対応業務の効率化は電話ほど進んでいなかった」(小野部長代理)からだ。

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