セブン銀行が目指すATMプラットフォーム戦略の可能性

お知らせと窓口の連続利用が生み出すメリット

さて、顧客情報の確認手続には続きがある。

ディスプレーに表示された「お客様情報を表示」のボタンを押すと、銀行に登録されている属性情報が表示される。

情報が最新のものであれば、利用者は「変更なし」ボタンを押し、入出金の取引を続けることができる。顧客が急いでいる場合は「次回確認」のボタンを押せば、入出金が可能になる。

情報の変更が必要だった場合は、「変更あり」ボタンを押すが、変更方法は二通り用意されている。

一つは、QRコード付きのレシートを発行し、利用者がスマートフォンでQRコードを読み取り、銀行の変更手続用のサイトにアクセスして、手続を行う方法だ。

もう一つは、セブン銀行ATMで変更手続を行う方法。ここからATM窓口のサービスに遷移しているといえるが、利用者は変更する項目を選択し、最新の情報をタッチパネルで入力する仕組みだ。

ただし、第三者がなりすまして、顧客情報を書き換えるといった不正を防ぐため、属性情報を変更するには、本人確認が必要になる場合がある。

そこで、ATM窓口では、まず、利用者の運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を読み取り、氏名等の属性情報が一致するかを確認。

加えて、本人確認書類の顔写真とATMのカメラで撮影した容貌画像を照合し、本人確認を行う。ここではNECの顔認証エンジンであるネオフェイスにより精度の高い本人確認が行われる。

銀行等の導入企業は、QRコードの方式の場合は顧客対応と受付データ、ATMで変更の場合は顧客ごとの回答結果が専用ポータルサイトでダウンロードできるので、業務を省力化できるが、最も期待できる効果は、やはり回答率の向上が図れる点だろう。

Eメールや郵便による回答率は一般に20.30%程度だというが、ATMお知らせとATM窓口の連続利用では、変更なし・変更ありの回答率が約80%に高まるという結果が得られている。

情報確認のメッセージが入出金手続の途中で表示され、利用者が何らかのアクションをとらなければ、入出金取引を先に進められないので、顧客がメッセージを見落としたり、読み飛ばしたりすることがないからだ。

ATM窓口は、継続的顧客管理だけでなく、口座・アカウント開設、ローンなど、各種サービスの申込みなどにも活用できる。

顧客は本人確認手続が必要な取引を、紙に属性情報を記入し郵送することなく、あるいは窓口に足を運ばずに完了できるので、導入企業にとっては顧客体験を向上できるメリットがある。

ATM窓口であれば、本人確認書類のICチップに記録された属性情報を読み取れるので、顧客が入力する手間が省ける。情報の正確性が担保されている利点もある。

スマホでもこうした手続ができるようになってきてはいるが、実は運転免許証や顔写真の撮影がうまくできない、押さなくてはいけないボタンの視認性が低いなど、快適なUI/UXが提供できているアプリばかりではない。 「セブン銀行ATMであれば操作性も高く、確実に手続ができるという利点がある。銀行に聞くと、アプリは提供しているが、実際は8割の顧客が窓口で手続しているという。銀行はATM窓口という選択肢を加えることで、そうした現状を打破することができる」と柏熊部長は自信を見せる。

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