三菱UFJニコスが社内文書検索回答サービスを全社展開
三菱UFJニコスは、大和総研と高精度な社内文書検索回答サービスの開発で共同研究を行った。共同研究の対...

ところが、三菱UFJニコスは、こうした問題があるにもかかわらず、飲料自販機のキャッシュレス化を推進してきた。
冒頭で紹介したように、2026年3月末時点で、20万台を超える飲料自販機をキャッシュレス化してきた実績がある。
ではなぜ、飲料自販機のキャッシュレス化が可能だったのか。
その鍵は三菱UFJニコスが活用しているネットワークにある。三菱UFJ銀行が提供している「SP-NET」が、飲料自販機のキャッシュレス化を支えているのだ。
銀行が提供する決済ネットワークと聞くと、違和感があるかもしれないが、SP-NETを理解するには過去の経緯を知る必要がある。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は2018年5月、Akamai(アカマイ)と共同で、IoT時代の決済に対応した取引速度と処理容量を備えた、ペイメントネットワークサービスの提供を目指すと、ある事業構想を明らかにした。
Akamaiのブロックチェーン技術を活用し、超高速の決済ネットワークを構築しようというのだ。
そのために、2018年12月にGlobal Open Networkを設立、2019年4月に事業を担うGlobal Open Network Japan(GO-NET)を発足させた。
だが、コロナ禍の影響もあり、ペイメント事業の決済件数が伸び悩み、また、今後拡大を予定していたIoT事業では、高速大容量のブロックチェーンを必要とする市場を捉えきれず、GO-NETは黒字転換が見込めなくなったことから、MUFGは2022年2月に、事業の停止を発表する。
ただ、GO-NETは2021年4月に「GO-NET FM/センター接続サービス」、7月に「GO-NET FM/端末接続サービス」というクレジットカード決済サービスをローンチしていた。MUFGは後者については、今後のキャッシュレス化推進を支える貴重なインフラになり得ると、ポテンシャルの高さを評価し、三菱UFJ銀行が継承することとした。
こうして、三菱UFJ銀行が引き継いだ事業が「SP-NET」である。
SP-NETのSPは「Simple Payment」を意味している。提供する機能と介在するプレーヤーをシンプル化し、中間コストの削減と徹底的な低コスト運用を実現させている点が最大の特長だ。
従来の電文の流れでは、加盟店(決済端末)⇒決済センター⇒中継ネットワーク⇒アクワイアラーと、4つの事業者が介在するが、SP-NETは加盟店(決済端末)⇒SP-NET⇒アクワイアラーと3つの事業者しか介在しない。
決済センターと中継ネットワークの立ち位置に、SP-NETが代わりに入るといえばよいだろうか。
端末とSP-NETの間は基本的にインターネットで、SP-NETとアクワイアラーの間は専用線で電文を送る。
また、従来はどのアクワイアラーに決済電文を送るのか、いわゆる仕向情報を電文に書き込む作業を決済センターが担っていたが、SP-NETのネットワークでは決済端末がその役割を担う。
日本の加盟店契約はマルチアクワイアリング方式なので、同じVisaカードでもどのアクワイアラーに電文を送るかを指示する必要がある。
だが、SP-NETではVisa、Mastercardは三菱UFJニコス、JCBやAMEX、Diners、DISCOVERはJCBと、仕向作業は非常にシンプルなので、そうした機能を端末に組み込むことは容易だ。
また、日本の決済システムは加盟店の要望を踏まえ、決済電文に決済以外の情報を追加している。
たとえば、提携カードの取引では、決済には使用しない予備領域にポイントなどの付加情報を組み込んでいる場合がある。
そうした特別な電文を生成する必要がないという点でもSP-NETの決済端末はシンプルな設計にできるという。
少額決済だから、リボ払いや分割払いを指定する機能も必要ない。
飲料自販機のような無人取引の場合は、クレジットカードについては接触型ICチップのリーダーは必要なく、タッチ決済機能のみでよい。
端末の多くは電子マネーやQRコードにも対応しているが、いずれもカードの差し込み口は必要ないので、雨水が入り込まないように防水する必要もなく、その分コストを抑えることができる。
電文自体がシンプルなので、SP-NETの中継機能もシンプルにでき、イニシャルコストやランニングコストを抑えることができる。 こうして、SP-NETを介したトランザクションでは、電子マネー並みの低廉なコストで決済が可能になった。加盟店手数料も「加盟店が受け入れやすい水準の手数料率を実現できた」(渋谷次長)という。

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